柏木英樹 氏(淡路島の海の自然環境保全)
身近なビーチクリーン活動から地域のつながりを
生活を見直すきっかけとなる取り組みを次世代に
淡路島の海の自然環境保全
(一社)IKUHART企画、育波未来塾、AWAJI BLUE、淡路島ちどり隊 他
あわじ自然海浜の環境推進協議会 会長
柏木英樹 氏
これまで取組んできたこと、現在取組んでいることを教えてください。
淡路島の海の自然環境を守る活動をしている団体のネットワークを構築するために本協議会を設立しました。より多くの方々に海の自然環境の実態や活動内容を知ってもらうために、シンポジウムや公共施設での展示会、広報誌等への記事掲載を実施しています。構成団体の主な活動は、定期的に海浜の漂着ゴミを拾うビーチクリーン活動、拾ったゴミの中からシーグラスや流木などを集めてアート作品を制作・展示する活動、淡路島で昔から愛されているシロチドリの営巣見守りなどの保護活動があります。
取組を始めようと思ったきっかけや、取組に対する思いを教えてください。
私の家族は代々漁業に携わっており、自分にとって海はとても身近なものでした。そんな海が現在は海洋ゴミで汚染され、様々なところに影響が及んでいることを知り、少しでも自分たちの手で良くしたい、そして次世代につなぎたいという思いから、私が塾長を兼任する「育波未来塾」で、海のゴミ拾いとアート作品の制作をかけあわせたアートビーチクリーンの活動を始めました。活動を進めていく中で、より多くの人に私たちや協力関係にある団体の活動を知ってもらいたいと思うようになり、ネットワーク団体として協議会を立ち上げ、周知活動にも力を入れるようになりました。
取組の中でやりがいに感じたことや、苦労した点を教えて下さい。
子どもたちの笑顔を見ると、アートビーチクリーンを通して海の美しさやアートを楽しむとともに、ゴミ拾いを続けていくことの大切さを学習してもらえていると感じます。地域外から参加してくれる方が多く、とてもありがたいですが、地元からの参加者も増えてほしいです。釣りをしたことがない子どもが増えていると聞きますので、海釣り体験と絡めたイベントなどで関心を持ってもらえるのではないかと検討しているところです。
取組を通して、どんな淡路島にしたいですか。
身近なところから地道に活動を進めて、より多くの方に現状を知ってもらい、自分たちの生活を見直すきっかけにしてほしいです。そして、これらの取組を次世代につないでいけるように担い手を育成していきたいです。また、地域とのつながりもこれまで以上に密になれば良いと思います。私が教師をしていた頃は、地元の川に行き、網で魚を捕まえるなどの調査活動を通して生き物の勉強をしていたので、このような役割を地域で担っていけたら理想的な連携になるのではと思います。